口腔外科は、親知らずの抜歯や、顎骨嚢胞、口腔(こうくう)腫瘍、顎関節症など、お口周りの様々な症状についての治療を対象とした診療科目です。
その他、アレルギーなどの全身的疾患を持った患者様の治療も行なっております。

通常の歯は中央から左右に7本づつ並んでいますが、一番奥に8本目として生える歯を親知らずと呼びます。
親知らずが生える際、痛みなどなくキレイに生えきってしまえば他の歯と同様に使用でき、無理に抜歯をする必要はありませんが、だいたいのケースが横に生えたり、キレイに生えなかったりするので、痛みがあったり虫歯になりやすかったりします。
そのため、余計な弊害をなくすよう抜歯をすることをお勧めしています。
親知らずの抜歯は、局所麻酔により術中の痛みはありませんが術後2、3日は腫れたり痛みがあったりしますので痛み止めを処方しております。
また、抜いた当日の飲酒や激しい運動は、痛みを促進させるおそれがありますので、お控頂くようお願いします。
粘膜疾患とは、舌や歯肉をはじめとした口腔内の粘膜全般に発症する疾患を指し、代表的なものには口内炎があります。
粘膜疾患には様々な症状があり、口腔内にとどまらず全身疾患に繋がる場合や悪性腫瘍のおそれもありますので注意が必要です。
- アフタ性口内炎
- いわゆる口内炎で、疲労やストレス、偏った食生活が原因とされており、刺激のある食べ物にしみたりします。
1~2週間で治りますがビタミン剤なの服用で症状を緩和させることができます。
- 口腔カンジダ症
もともと口腔内の常在菌の一種であるカンジタ菌が、免疫力の低下や唾液分泌量の減少により増殖して発症します。
症状としては口腔内に乳白色の苔状の粘膜が口腔内を覆います。
抗菌薬によるうがいや、塗り薬、内服薬などで治療可能ですが、日ごろから口腔内を清潔にしたり、乾燥から守りましょう。
- 白板症(はくばんしょう)
舌の裏側や頬粘膜、歯肉に発症する場合が多く、白い粘膜状のものが覆い、食べ物がしみたり痛みを生じます。
喫煙や過度な刺激が原因といわれており、初期がんの疑いもあるので、切除による治療と長期的な経過観察が必要です。
- 紅板症(こうばんしょう)
- 口腔内の粘膜に紅色斑を発症し痛みもあります。高齢による発症が多くがん化しやすいので、早めの受診をお勧めします。
- 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
頬粘膜に多く発症する疾患で、薄く白い粘膜が貼られたような症状で、ただれたり刺激のある食べ物にしみたりします。
原因は不明で症状が治りにくいのが特徴です。

嚢胞(歯根嚢胞)とは、虫歯の進行により細菌が歯根の先端まで達し、膿の袋ができる症状です。
症状としては珍しくはなく、口腔内のレントゲン撮影時に見つかることが多いです。
軽度であれば、症状もあまりなく、見過ごされがちですが、そのまま放置しておくと袋が肥大して治療が困難になってきます。
治療としては根管治療による洗浄、または切除となり、症状が重度になると外科手術や歯根端切除、抜歯などが行なわれます。

顎関節症とは、食事や会話により顎を動かす時に、痛みや関節のこすれる音がしたりなど顎の骨のずれにより起こる症状です。
顎だけの問題ではなく、直接脳に作用しやすいため精神的な部分への影響も多々見受けられるのが特徴です。
原因として、日常の歯ぎしりや、硬いものを噛んだり、口を大きく開けすぎたりと顎への大きな負担が影響するとこが多いですが、そのほかにもストレスからくる顎関節への緊張状態が悪影響を及ぼすこともあります。
治療法には、正常な噛み合わせに戻すことが一番で、スプリント(マウスピース型の噛みあわせ矯正器具)により、上顎と下顎が均一に接するように少しずつ調整していく方法等、患者様の症状に合わせて最も適した治療計画を立てていきます。

虫歯治療に用いられる詰め物や被せ物が原因で金属アレルギーを引き起こす患者様が多数いらっしゃいます。
治療後しばらくは何の症状がなくとも数年してから徐々に銀が溶け出し発症することもあります。
金属アレルギーは金属の溶解によりイオンが発生し、口腔内の粘膜から吸収され、血液と共に全身に回り、皮膚などに症状が現れたりします。
当クリニックでは、そういった弊害を防ぐためにもメタルフリーによるセラミックやジルコニアでの治療をお勧めしております。
上顎洞炎・骨髄炎とは上顎洞や骨髄などに発症する炎症のことで、患部から膿が出たり痛みが伴います。
原因としては虫歯や歯周病による感染が主で、その他、抜歯や顎の骨の骨折からくる感染などもあります。
症状は患部だけでなく、重度になると発熱や倦怠感などによる身体的消耗もあったりします。
治療法として、抗生剤や局所洗浄などの治療を行ないます。また、重度の場合外科的手術も必要となります。